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船員幸福度指数2021年第4四半期報告書の調査結果を検証
船員幸福度指数(SeafarersHappiness Index:SHI)調査2021年最終四半期を反映した結果が先週公開されました。
船員幸福度指数(SHI)第4四半期調査 結果 には、2021年を締めくくるにあたって、船員の「総合的幸福」が刻一刻と状況が推移する新型コロナウイルスの世界的大流行に対する国際的な対応とどのように密接にかかわっているかが示されています。国境が開放された際には楽観的な見方が強まり、感染数が上がり渡航禁止/移動制限が高まると、それに応じて恐怖心やフラストレーションが映し出されます。
船員幸福度指数(SHI)第4四半期調査報告書は、全体の平均スコアが10点満点中6.41点で第3四半期の6.59点から減少しました。これは新型コロナウイルスの予測不可能な性質がメンタルヘルスに深刻な影響を及ぼしているという憂慮すべき兆候を反映しています。
調査に協力した船員の統計から、回答した船員の20%は9か月以上海上勤務をしています。新型コロナウイルスによる乗組員交代の遅れがそのまま問題に直結してしまい、船員は契約期間を超過して船内に留まることを余儀なくされています。
不確実な状況で懸念を抱えながら長期間船内に閉じ込められると、乗組員間の関係に緊張が高まる状態となることは避けられません。緊張と圧力が高まると、些細な意見の不一致が拡大し、いじめの発生を引き起こす可能性があります。これは、異種文化混合度または多国籍度が一定の高さ以上の船舶でより明白でした。
船内の多国籍度の高さを考えると、食べ物も別の対立要因になる可能性があります。船舶料理士が文化的および宗教的背景を考慮に入れること、または種類豊富な食事を確実に提供することは難しい場合があります。中でも注目すべきは、食料の量と質を維持する必要があり、同じ料理を来る日も来る日も繰り返してはいけません。
多くの人がジムの状態や設備が最低限以下であることを報告している事を踏まえて、船内での満足のいく施設の提供も綿密な調査の対象となっています。ここから仕事量の増加にも話が広がります。多くの船員は、1日あたり12時間(またはそれ以上)働いており、運動する時間が少なくなっていると話しています。理想的とは言えない食事の質と運動不足と相まって、船員の体重が増加し、長期的視野で健康を損なう結果となっている事態も珍しくありません。
今後も第4四半期調査結果を掘り下げ、船員の状況ならびにそれが海運業界の将来にどのような影響を与えるかについて全容を理解していきます。
スタンダードクラブのロスプリベンション部門は、 船員の福祉向上のために尽力しています。その実践の証しとして、当クラブは 乗組員の健康と乗組員交代に関する ネプチューン宣言に署名しており、さらに ミッション・トゥー・シーフェアラーズによるイニシアティブである 船員の幸福度指数も後援しています。
カテゴリー: Loss Prevention