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スタンダードクラブの新型コロナウイルスワクチン接種に関するよくある質問集
これらのよくある質問は、国際海運会議所(ICS:International Chamber of Shipping)の出版物「コロナウイルス(COVID19)」の船員へのワクチン接種から生じる法的責任、義務、保険の問題を参照しています。
これらのよくある質問は、国際海運会議所の出版物「 コロナウイルス(COVID19)」の船員へのワクチン接種から生じる法的責任、義務、保険の問題を参照しています。
Q. メンバーは船員に新型コロナウイルスワクチンの接種を義務づけることができますか?
A: ILO海上労働条約(MLC) はワクチン接種を規定していないため、回答は旗国の国内法または船員の母国の法律により変わります。英国法律で、船主は、乗組員が直接の従業員か派遣かを問わず、乗組員にワクチン接種を義務付けることはできず、義務化は医療介入に関する乗組員の人権を侵害することになります。
他国の取り組みは異なりますが、船主の乗組員へのワクチン接種の強制を許可する場合も、あるいは乗組員のワクチン接種を法的要件とする場合もあります。
特定の状況下では、船員の雇用契約にワクチン接種を受けることが条件として含まれている場合もあります。
Q. メンバーは、船員が新型コロナウイルスワクチンを接種することを雇用契約の条件とすることができますか?
A: はい、特定の状況下では、メンバーはワクチン接種、接種証明書の提出、さらには特定の種類のワクチンの接種を契約の条件とすることができます。しかし常に契約への適用法に従うことが条件です。
船員が自由意志と情報に基づいた同意をしない限り、メンバーが既存の雇用契約を修正または変更して、船員にワクチン接種を受けさせるという新たな要件や義務を盛り込むことは難しそうです。
新規契約に関しては、船員が必要な(複数の)ワクチン接種を受けることを雇用契約の条件とすることが可能です。 例えば、船が寄港する可能性のある国で必要とされるワクチン接種などです。 このようなシナリオでは、メンバーがそのような条件を雇用契約に含めることができるかは、船の目的地、あるいは現実的にはどの国に寄港するのか、そしてそのようなワクチンがそれらの国に寄港するのに必要なのかどうかで変わります。
新型コロナウイルスの特徴と危険性、そして現在の世界的な大流行を考えると、船員と船員が接触する人の両方を保護するために、ますます多くの国でワクチン接種が必要になる可能性があります。
Q. メンバーが自らワクチン接種を手配できますか?
ICSパラグラフ2.1.2.「ワクチン接種に対する自発的なインフォームド・コンセント」もご覧ください。
ワクチン接種の際の主なリスクは副反応で、重篤な症状が出ることもありますが、症状が出るまでに時間がかかることもあります。副反応としては、まれに生じるアナフィラキシーから、注射を打った腕の痛み、頭痛、全身の痛み、疲労感、軽いインフルエンザのような症状など、より一般的な副反応まで様々なものがあります。
船上でワクチン接種を行う場合、メンバーは、適切な資格を持つ人がワクチン接種を行うこと、関連する国際的または国内的な規制当局、船員の母国または旗国によって承認されているワクチンであること、船上で保管、適切なケア、投与が可能であること、上記の副反応のリスクを管理するための適切な医療支援を迅速に利用できることを確認する必要があります。
さらに、メンバーは、乗組員の大部分が同時にワクチン接種を受けることのリスクや、ワクチンを接種した船員が船上で業務を遂行する前に、副反応の有無を確認するための時間を考慮する必要があります。メンバーは、乗組員の大部分が副反応により業務ができなくなったり、あるいは船舶の安全に関わる重要な役割(たとえば、船舶の操舵)を果たす船員が1人でも欠けると、極端な例では、 船舶の安全が脅かされたり、航行不能になったりする可能性があることを認識する必要があります。
メンバーがワクチン接種を手配する場合、その船員にワクチンの効果とリスクに関する適切な医療情報を提供し、船員がワクチン接種前に十分な情報を得た上で自発的に接種に同意することを保証する必要があります。船員のワクチン接種への同意は船員が署名したフォームにより文書化することが推奨されます。フォームでは、船員が医療情報、(複数の)ワクチン接種を受けることの利点とリスクを読み、理解し、自発的に(複数の)ワクチン接種を受けることに同意したことを確認します。
Q:船員への(複数の)ワクチン接種を行う場合、どのワクチンを選ぶべきでしょうか?
A: 現時点では、世界には共通に承認されたワクチンはなく、各国で異なるワクチンが承認されています。ある国で承認されているワクチンが、他の国では承認されていないこともあります。
メンバーが自らワクチン接種を手配する場合は、使用するワクチンが国際または国内の関連規制当局、船員の母国や旗国によって承認されていることを確認する必要があります。
Q. ワクチン接種後も、乗組員は船内で新型コロナウイルスの予防措置に従うべきでしょうか?
A: 乗組員には、ワクチン接種は、新型コロナウイルスからの完全な保護を提供するわけではないことを認識してもらう必要があります。ワクチン接種が疾患そのものだけでなく、感染や伝染にどれほど予防効果があるのか、研究は現在も進行中です。乗組員や船への来訪者は、ワクチン接種済みであっても、適切な新型コロナウイルスの予防措置に従い、適切な行動をし、マスクの着用、手の洗浄、社会的距離を保つなどの手順を維持しなければなりません。
Q:船員へのワクチン接種にかかる費用はメンバーが負担するのでしょうか?
ICSパラグラフ3.1.6「船員へのワクチン接種の費用は船主が負担するのか?」もご覧ください。
A:メンバーが船員に新型コロナウイルスのワクチン接種を受けるよう指示した場合、あるいは海上での業務のための職務要件となった場合は、メンバーは船員がワクチン接種を受けたことを確認する責任を負い、ワクチン接種の費用や副反応に対処する費用を負担することになります。
代わりに船員が自発的にワクチン接種を受けることを選択した場合、 あるいは母国のワクチン接種プログラムを通じてワクチン接種を受けた場合は、船員が乗船中、または船への渡航中に発症した病気など、メンバーが通常保証する期間内に発生した病気でない限り、メンバーはワクチン接種とそれに起因する病気の費用を負担する義務はありません。このような場合、メンバーの負担は雇用契約によって規定される可能性があります。
Q: ワクチン接種の費用やワクチンに起因する賠償責任は船主責任保険(P&I保険)適用の対象になりますか?
ICSパラグラフ3.1.7「船員へのワクチン接種の結果は、副反応も含めて船主が責任を負うのか?」もご覧ください。
A: ワクチン接種の費用と、接種または接種を促進するために要した時間は運営費であり、メンバーのP&Iカバーには該当しません。
当クラブの保険適用には、乗組員の負傷、病気、死亡に関する賠償責任が含まれています。そのような賠償責任がワクチン接種に起因し、かつクラブ保険適用の範囲内にある場合に限り、保険適用は通常の方法で対応し、負傷、病気または死亡はクラブ規則3.1.1に従ってその他のものとして扱われます。賠償責任は、クラブが事前に承認した船員の雇用契約の条件に基づいて、あるいは適用法の結果として、また、メンバーの船に対する利害関係を理由として、船がクラブに加入している期間中に発生した事象および船舶の運航に関連して発生したものでなければなりません。
カテゴリ: COVID-19, Loss Prevention