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ロシア-制裁措置の最新情報
本スタンダードクラブメンバーアラートは、ウクライナへのロシアの侵攻行為に対応して米国、英国および欧州連合(EU)が発した制裁措置の概要を示すものです。ウクライナの状況とそれに対応するロシアへの制裁措置は変化し続けています。以下の概要は2022年2月24日早朝現在のものです。2月24日夕方に発行された制裁措置に関しては別のアラートが掲載されます。
米国
今週米国はウクライナへの侵攻行為を受けてロシアを対象とした新たな制裁措置を発表しました。これらの新しい制裁措置は米国人と米国関連組織との取引に即座に影響を及ぼします。非米国人に対する二次的制裁措置の影響は、それほど明確で即座で執行はされませんが、全く影響がないとうことにはなりません。ウクライナでの進展状況を考えると、追加制裁措置が予想されます。今週すでに発表された新しい制裁措置には次のものが盛り込まれています。
大統領令(Executive Order)
バイデン米国大統領は2月22日、ロシアがウクライナの「ドネツク人民共和国(DNR)」と「ルガンスク人民共和国(LNR)」地域(「対象地域」と呼ばれる)を承認したことを受けて大統領命令を発令しました。制裁措置は、クリミア貿易に対して以前に取った一連の政策と非常によく似ています。大統領令には、米国人(場所を問わず)および米国関連組織との取引に関する次の禁止事項が含まれています。
- 米国人による対象地域への新規投資
- 対象地域から米国への物資やサービス、技術の輸入
- 米国から、または米国人による対象地域への物資やサービス、技術の輸出、再輸出、販売、供給。
これらの禁止事項は、米国銀行およびその海外支店がこれらの地域に金融サービスを輸出することを禁じられているため、対象地域に関する米ドル取引にまで及びます。 大統領令はさらに米国人が直接従事することを禁止される外国人による取引を承認、資金調達、促進、または保証することを禁止しています。
また、大統領令はとりわけ対象地域で2022年2月21日以降に活動している、または活動したことがあると判断された人(非米国人を含む)に対する特定の個人・団体を対象とした資産凍結や取引規制等による制裁(blocking sanctions)を承認します。この条件の下では、特別指定国民(SDN)がまだ指定されていませんが近く発表されると思われます。このセクションには、この大統領令に従ってSDNリストに掲載された人物に重要な支援を提供したと判断された人に対する制裁措置を承認する通常の「重要な支援」の表現も含まれています。
大統領令発令と同時に米国はNo.17から一般ライセンス22までの6種類の「一般ライセンス」を発行しました。
- 一般ライセンスNo.17は、2022年3月23日までに対象地域に関連する業務および契約の段階的な縮小を許可します。
- 一般ライセンスNo.18は、標準的な人道援助の一般許可です。農産物、医薬品、医療機器、または特定の新型コロナウイルス関連活動の対象地域への輸出に付随する必要な取引を許可します。
- 一般ライセンスNo.20は、国際機関が対象地域に関連する活動に従事することを許可します。米国当局は、非米国人が米国人によって実行された場合に「一般ライセンス」によって許可されるであろう活動に従事する場合、制裁措置のリスクに直面しないことを前もって確認しました。
新しい特別指定国民(SDN)への指定
米国は2022年2月22日に2つのロシア金融機関をSDNリストに指定しました。2つの金融機関であるロシア国営金融機関(State Corporation Bank for Development and Foreign Economic Affairs Vnesheconombank (「VEB 銀行」)および Promsvyazbank Public Joint Stock Company (「PSB」)は、米国がロシア防衛産業への融資に不可欠であると判断した後にそれらの子会社42社とともに指定されました。
PSBの指定に関連して、PSB子会社所有のロシア国籍船舶5隻もSDNリストに追加指定されました。
- バルチック・リーダー(Baltic Leader)(IMO:9220639)、RORO船
- Linda (IMO: 9256858)、原油タンカー
- Pegas (IMO: 9256860)、原油タンカー
- Fesco Magadan (IMO: 9287699)、コンテナ船
- Fesco Moneron (IMO: 9277412)、コンテナ船
この指定は2021年4月に発出された「大統領令14024号」に基づき実行されました。「大統領令14024号」は、米国当局によって特定されたロシア経済部門で活動することを決定した特定の個人・団体を対象とした資産凍結や取引規制等による制裁(blocking sanctions)を承認します。「大統領令14024号」は、将来の指定の潜在的な標的として技術部門と防衛部門および関連する関連資材に関する部門に具体的に言及しました。2月22日の指定により、米国はロシア経済の金融サービス部門を特定しました。ただし、米国はこの決定にFAQ 964を添えており、金融サービス部門全体が制裁対象ではないことを示しています。FAQによると、「部門の決定は、その部門で活動している、または活動したことのある全員に自動的に制裁を課すわけではありません。」SDNリストに指定された人物のみが制裁対象となります。それにもかかわらず、大統領令には、大統領令の下で指定された人々に重要な援助を提供する人物に対する制裁措置を許可する「重要な支援」の文言が含まれています。
英国
英国政府は2022年2月22日にウクライナ東部「ドネツク人民共和国(DNR)」と「ルガンスク人民共和国(LNR)」地域を独立国として承認するという決定を受けロシアに対して最初の金融制裁措置を課しました。
英国は、クレムリンと密接な関係にある 以下の5つの銀行と3つの新興財閥を資産凍結の対象として指定しました(ロシア(制裁措置)(EU離脱)規則2019に準拠):
- ロシア銀行
- Black Sea Bank for Development And Reconstruction
- ジョイント・ストック・カンパニーGenbank
- IS Bank
- PJSC Promsvyazbank
- Gennadiy Nikolayevich Timchenko
- Boris RIomanovich Rotenberg
- Igor Arkadyevich Rotenberg
これは、英国の制裁対象となる人物が、上記に指定された個人および団体(またはそれらが所有または管理する団体)が直接的または間接的に資金または経済的資源を利用することを禁じられていることを意味します。詳細については こちらをご確認ください。
英国の経済制裁措置は、英国領土内の全員および世界中のすべての英国人に適用されます。また、英国法に基づいて設立された企業または組織は、活動が行われる場所に関係なくこれらの制裁措置に従う必要があります。
英国政府は、クリミアに関連してすでに課されている制裁措置がドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国にまで拡大されることを発表しました。クリミアに対して課せられた英国の制裁措置の詳細は こちらから確認できます。
英国は、ロシアがウクライナに対してさらに攻撃的な行動をとった場合、ロシアの金融部門を対象とした幅広い措置を課し、様々なハイテク製品の輸出を禁止し、ロシアの銀行を世界経済からさらに孤立させると警告しました。
欧州共同体(EC)
EUはドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を独立国家承認に賛成したロシア政府高官とロシア下院議員、およびロシア軍に資金を提供している銀行に資産凍結を課すことを含む一連の政策に合意しました。ロシアの州および政府がEUの資本や金融市場、サービスにアクセスする能力を制限する一方、EUとドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国両地域とEU間の貿易を禁止します。
さらに、ドイツは運用開始にむけて進めていたガス管「ノルドストリーム2」事業の認可手続きを停止することを発表しました。 2021年9月に完成したパイプラインは、バルト海底を経由してロシア産天然ガスをドイツに運ぶことになっており、ロシア国営ガス会社ガスプロムの子会社が所有しています。
ロシアとの貿易を行うメンバーは、展開状況を綿密に検討して必要に応じて最新の助言を求めることを強くお勧めします。 今後も状況を注意深く監視し今後の展開についてお知らせ致します。ご質問などがございましたら、通常のクラブ連絡先までお問い合わせください。
カテゴリ: Sanctions, Ukraine / Russia