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プレス記事:一段ずつじっくりと-水先人の安全
水先人が重傷を負わないよう、乗組員は水先人用梯子の使用、保管、メンテナンスについて適切な訓練を受ける必要があります
水先人用梯子は、船舶への乗船と下船の際に使用者の安全を確保するための重要な設備です。水先人用梯子が誤って艤装されていると、重傷を負ったり、人命の悲劇的な損失につながる可能性があります;司法管轄区によっては、多額の罰金および/または船員の投獄といった罰則が科せられる可能性があります。
近年、スタンダードクラブでは、水先人用梯子の事故の多発を耳にしています。2014年から2020年までの保険年度の間に、水先人用梯子が関係して人員が負傷(しばしば重傷)したり、命を落としたりした事故27件に対処してきました。
2021年2月のTradeWinds誌の記事で、国際海事水先人協会(IMPA)は、多くの船舶運航会社が水先人用梯子の安全規制を遵守しておらず、古いラダーや使い古された梯子が使用されていたり、船舶の乗組員が誤って装備していたりすることに不満を表明しています。不適合の多くは、水先人用梯子の段が水平でないことや、梯子が船体に対して完全に固定されていないことでした。
同記事で、IMPAは基準不適合の梯子の使用を最初に拒否した水先人に、ポートステートコントロールの立入検査のために船員が保管していた基準に適合する梯子が提供された事例を紹介しています。このような経費削減のための行為は、安全性を損ない、人命を危険にさらすだけでなく、非常に高額な賠償請求につながる可能性があります。SOLAS第V章/規則第23条では、IMO決議A.1045(27)および修正A.1108(29)と同様に、水先人の乗下船を具体的に扱っています。IMO MSC.1/Circ.1428およびその付属書では、水先人の乗下船設備の必要が図に示されています。
水先人用梯子の艤装と水先人の乗下船は船のスタッフの責任であり、担当の航海士は水先人の乗下船時に船橋との連絡手段を確保しつつ、艤装を監督する必要があります。水先人梯子の艤装は、経験豊富な船員に任せることができますが、最終的な責任は当直の航海士にあります。運航会社は、乗組員が水先案内人用梯子の艤装に習熟するよう訓練する責任があり、この作業を最も重要視しなければなりません。
規則の遵守
SOLASの要求事項に従い、水先人の乗下船に使用される設備は、清潔に保ち、適切に維持されて収納され、使用上の安全性を確保するために定期的に点検される必要があります。当該設備は、人員の乗下船にのみ使用されるものでなければなりません。
水先人には安全で便利な船内への乗下船が提供されなければなりません。水先人用梯子は、(とりわけ)以下の点に注意して配置し固定する必要があります:
- 船(たとえば、甲板排出口から)からの排出物が付着する可能性がないこと。
- 船の平行胴長の範囲内にあり、可能な限り船舶の中央における船舶の長さの二分の一の範囲内にあること。
- 各段は船側にしっかりと当てられていること。
- 船舶の積載と載荷のすべての状態、さらに不利な条件として15°を当然のものとして見込みんでいること。
組み合わせ梯子は、SOLAS第V章/規則第23条に記載された仕様に基づいて艤装されていること。船の甲板へのアクセスと船側のドアの必要条件もSOLASに規定されています。機械式の水先人吊り上げ機は使用してはいけません。
海運業界での多くの技術的な進歩にかかわらず、水先人用梯子での事故は定期的に発生しており、時には重傷、また場合によっては悲劇的な死亡事故を引き起こしています。
水先人用梯子を適切に艤装することの重要性は、決して軽視できません。設備に十分な注意を払い、適切にメンテナンスし、SOLASの要求事項とベストプラクティスを十分に理解し、梯子を艤装する際に細部にまで注意を払うことで、このような事故を最小限に抑えることができます。また、水先人用梯子の適切な艤装に関する乗組員訓練は、このような事故を未然に防止するのに大いに役立ちます。
この記事は、下記リンク先の船員向け有力誌「The Sea newspaper」の最新号に寄稿したものです。
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カテゴリー: Loss Prevention