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ニュース:2021年のポートステートコントロールの集中検査キャンペーン

News & Insights 26 July 2021

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毎年、欧・北大西洋地域とアジア・太平洋地域のMoUが共同で、船舶の安全性に関する特定の側面について集中検査キャンペーン(CIC: Concentrated Inspection Campaigns)を実施しています。

Two mooring men

はじめに

毎年、欧・北大西洋地域とアジア・太平洋地域のMoUが共同で、船舶の安全性に関する特定の側面について集中検査キャンペーン(CIC)を実施しています。間違った積載条件や非損傷時復原性に関する文書の欠落に関連する事故を受けて、2020年、CICでは「安定性(全般)」に焦点を当てる予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的大流行を受けて延期されました。

今年、「安定性(全般)」に関するCICが、2021年9月1日から2021年11月30日まで、欧・北大西洋地域およびアジア・太平洋地域のMoUによって実施されることが 決定しました 。黒海地域、インド洋地域、地中海地域、ペルシャ湾地域および南米地域のMoUもこのキャンペーンに参加しますが、カリブ海地域のMoU、米国沿岸警備隊(USCG)、オーストラリア海上安全局(AMSA)はそれぞれ独自の検査キャンペーンを行います。


欧・北大西洋地域、アジア・太平洋地域、黒海地域、インド洋地域、地中海地域、ペルシャ湾地域および南米地域ー「安定性(全般)」に関するCIC

この CIC の目的と範囲は、船上の復元力システムが設置され、利用可能であり、認可されていることを確認することです。さらに、各航海で復元力計算が実施され、適切に文書化されていることです。そのため、PSC検査官は、船長及び担当士官が、 船上に艤装された荷役系、復元力ブックレット、荷役用コンピュータ/ソフトウェア及び荷役文書の使用について訓練を受け、精通しているかどうかを 評価します。

2010年には、欧・北大西洋地域MoUが同様のCICを実施し、タンカーに対するIMOの復元性要件に主眼を置きました。主な検査項目は以下と予測されます:

  • 文書化(復元力ブックレット、荷役マニュアルなど)
  • 復元力計算(荷役コンピュータ/ソフトウエア、荷役文書)
  • 上記への担当士官の慣熟度
  • 復元力計算を必要とする緊急事態に対応できる組織力(座礁/浸水/貨物明細など)

ポートステートコントロール(PSC)検査官は、まだ公表されていないCICの質問表に沿って検査を行います。

カリブ海地域MoUCIC

カリブ海地域MoUは、バラスト水管理に関するCICを実施する予定です。

一方、バハマ海事局(BMA)は、2021年7月1日から2021年12月31日までの間、すべてのバハマ船上で、水先人の乗下船に関するCICを実施することを発表しました。詳細については BMA Technical Alert 21-09 をご覧ください。

米国沿岸警備隊(USCG)CIC

USCGは現在、米国籍船に限定したCICを実施しています。2015年に発生したMV EL FARO号の悲劇的な事故を受けて、USCGは国際安全管理(ISM)コードの検査を行い、緊急時の手順やサイバーリスクの実施状況を確認しています。CICは、Marine Safety Information Bulletin (MSIB-16-20)ならびにCommercial Vessel Compliance Work Instructions CVC-WI-003(3)、 CVC-WI-004(2) および CVC-WI-027(2)に掲載されているUSCGのガイダンスに基づいています。会員の皆様は、  こちらからぜひ当クラブの過去のニュース記事をご覧ください。–

AMSAの集中検査キャンペーン(FIC:  Focused Inspection Campaign )

AMSAは現在、2021年8月31日まで家畜運搬船のFICを実施しています。その詳細は当クラブのニュースで紹介しています、 こちらからご覧ください。

加えて、AMSAは、先ごろ2021年8月1日から2021年9月30日までの実施を アナウンスしました 。このFICの目的は、国際条約の航行安全要求事項への適合度を判断し、航行安全を確保するプロセスへの船長や士官の慣熟度を確認することです。

AMSA検査官は、通常のポートステートコントロールや旗国管理検査と併せてFICを実施します。検査官は、FICでカバーすべき領域をリストアップした標準的な チェックリスト を使用します。

メンバーの皆様は、船長や士官がSOLAS第V章、 Australian Marine Order 27 の要求事項や船上で実施されている安全管理システム(SMS)を十分に理解していることを確認されるようお勧めします。

カテゴリー: Loss Prevention

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