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ニュース:2021年のアジア型マイマイガ(AGM)の発生時期を迎えるにあたって
極東エリアで貿易取引をされているメンバーの皆様方には、船舶にアジア型マイマイガが付着していないことにご注意いただくようお願いいたします。出港に先立ち、当該リスクがないことを検査・証明する必要があります。
極東の港で取引されている船舶をお持ちのメンバーの皆様方には、(AGM)のリスクが高いとされる特定の港から出発する前に、船舶を検査し、アジア型マイマイガが付着していないことを証明する必要があります。これを怠ると、アジア型マイマイガが土着していない国の植物検疫当局から処分を受ける可能性があります。
到着した船舶に対してAGMの規制および検査を行っている国としては、米国、カナダ、チリ、アルゼンチン、オーストラリアおよびニュージーランドがあります。
AGMの発生時期は通常5月末に始まり9月まで続きます。この期間中に規制区域内の港に寄港した船舶は高リスクとみなされ、原則として規制区域内の最後の港でAGM不在証明書を取得する必要があります。
国によって必要条件や入港手順に違いがあります。
米国およびカナダ
米国農務省(USDA) およびカナダ食品検査庁 (CFIA) は、2021年2月に合同で 告示 を通達しています。告示では、2019年と2020年のAGMの飛翔期間中、多くの規制対象の港湾で非常に多くの蛾が観測されたことに言及しています。2021年に同様の卵塊を持つ船舶が大量に到着することを防ぐためには、AGM認証取得に加えて、自己点検の徹底が求められます。
規制区域と2021年の高リスク期間は以下をご覧ください。
国 | 港または地区 | 高リスク期間 |
ロシア連邦 極東 | ナホトカ、オルガ、プラスタン、ポスイエ、ルスキー 島、スラビヤンカ、バニノ、ウラジオストク、ボストーチヌイ、ザルビノ、コズミヌ | 6月1日から 9月30日 |
中華人民共和国 | 北緯31度15分以北のすべての港湾 | 6月1日から9月30日 |
大韓 民国 | すべての港湾 | 6月1日から9月30日 |
日本-北日本 | 北海道、青森県、岩手県、宮城県および福島県 | 7月1日から 9月30日 |
日本-西日本 | 秋田県、山形県、新潟県、富山県および石川県 | 6月25日から 9月15日 |
日本-東日本 | 福井県、茨城県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県および三重県 | 6月20日 から8月20日 |
日本-南日本 | 和歌山県、大阪府、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、徳島県、愛媛県、高知県、福岡県、大分県、佐賀県、長崎県、宮崎県、熊本県および鹿児島県 | 6月1日から 8月10日 |
日本-南西諸島 | 沖縄県 | 5月25日から6月30日 |
上記の特定期間中にAGM規制区域に寄港した船舶には、以下の措置が必要となります:
- 船舶は検査を受けなければならず、認定された認証機関から出航前に不在証明書 を取得する必要があります。船舶にAGMのすべての生育段階の個体が存在しないことを明記した不在証明書のコピーを、米国またはカナダの代理店に転送する必要があります。不在証明書は、少なくとも特定の高リスク期間中に訪問した規制対象地域の最後の寄港地から発行されたものである必要があります。
- 北米に到着しようとする船舶には、AGMは付着していてはなりません。北米へのAGM持ち込みリスクの軽減措置に伴う検査の遅延、ルート変更、洗浄のための出港命令や潜在的な影響を回避するため、 海運会社は、米国およびカナダの港に入港する前に、集中的に船舶の自己点検を行い、AGMのすべての卵塊およびその他生育段階の個体を探し、除去(こすり落とし)し、適切に処分または破壊する必要があります。
- 船舶は、北米の港に到着する96時間前までに、2年間の寄港地データを本船のカナダまたは米国の代理店に提供しなければなりません。 代理店は、この情報が米国とカナダの政府関係者に提供されるようにします。
CFIAは、2017年に 方針質疑応答を発行し、CFIFのAGMに関する方針では、船舶のための給油施設を除外しないと言及しています。これには寄港地での給油が含まれますが、年間の特定時期にAGM検査サービスが提供されなかった韓国のいくつかの規制対象港での寄港時の給油は除外されます。 米国農務省の要件はCFIAの要件と一致しているため、規制地域に(寄港地での)給油のために寄港する船舶は、出発前にAGM不在証明書の取得に努めることが推奨されます。
2021年3月、 CFIAは、以下の改訂内容で方針指令D-95-03を更新しました:
- セクション2.1が更新され、AGM規制地域でAGM認証が発行された後に、AGMの生育段階の個体の存在を示すAGM検査報告書をCFIAに提示しなければならないという要件が明確になりました。
- セクション3.0が更新され、船舶が植物検疫証明書またはその他のAGMに必要な承認された証明書、およびニュージーランドからの不在検査報告書を提示した場合に、CFIAによる船舶の検査を免除する条件が説明されています
- セクション4.3が追加され、規制対象の船舶のカナダ入港前に、カナダの代理店がCFIAに入港を通知しなかった場合は、通知義務不履行とみなされることが明確になりました。
オーストラリア
通知08-2021 (2021年1月発行)によれば、オーストラリアの港では、毎年1月から5月までが監視活動強化期間となります。
規制対象地域にはロシアの港のみが含まれます。さらにオーストラリアでは以下のような規制対象地域と特定のリスク期間の定義に基づきAGMに対する方針を策定しています:
国 | 港または地区 | 高リスク期間 |
ロシア連邦 極東 | 北緯40°から60°の間で東経147°より西側にあるすべての港 | 7月1日から 9月30日 |
AGMのリスクが高いと分類された船舶は、通常、農業・水資源省 (DAFF)が入港時にAGM検査の必要性を判断し、最初の入港時の手続きの一環として対象となるAGM検査が必要な場合はその旨通知されます。該当する船舶には、到着前報告(PAR) プロセスの一環として、Maritime Arrivals Reporting System(MARS)を通じて、AGMの質問書が送付されます。記入された質問書がMaritime National Coordination Centre (MNCC)に返送され、評定されると、最初の入港時の手続きの一環として対象となるAGM検査が必要かどうかが船舶に通知されます。
通知88-2021によると、DAFFが入港する船舶に対して実施するアジア型マイマイガ(AGM)がもたらすリスクを管理するための年次監視活動は、2021年5月31日をもって終了します。
- 2021年5月31日以降は、Maritime Arrivals Reporting System (MARS)は、義務としての到着前報告を提出した対象船舶へのAGM質問書の送付は行いません。
- Maritime National Coordination Centre (MNCC) は、5月31日までに質問書を提出した船舶に対して、AGM検査を実施すべき場所を決定するためのリスク評価を継続します。すなわち、評価は、監視活動期間内のすべての対象検査が完了した後に最終的に決定されます。
- 船長は、引き続き外来種の昆虫に注意を払い、発見した場合は当局に報告してください。
ニュージーランド
第一次産業省(MPI) がAGM規制を扱う主管官庁であり、要件は Craft Risk Management Standard (CRMS) -- 船舶のパート-3に記載されています。
2018年2月1日に施行されたこの要件では、 過去12カ月間に 特定のリスク期間中に規制対象地域のいずれかに寄港した船舶はAGMの高リスクとみなされます。当該船舶は、ニュージーランド到着時に、有効なAGM不在証明書(MPIが認めた検査機関から入手)を提出する必要があります。
証明書では、船舶の出港日当日の昼間に検査が行われたことを確認することが不可欠です。また、出港前証明書のコピーを1年分の寄港地データと一緒に、到着の48時間前までにMPIに送付する必要があります。
チリ
チリの要件は、過去24ヶ月間に 北緯60°から20°の間の北東アジアおよび極東アジアの 港に入港した船舶に適用されます(上記の規制地域一覧で中華人民共和国向けに言及されているように、北緯31度15分以北は対象外です)。これにより、AGMの飛翔期間に中華人民共和国南部の港に寄港する船舶にも植物検疫証明書の提出が求められることになります。
植物検疫証明書のコピーと、 過去2年間 に寄港した港の一覧を、船舶の入港の24時間前までにチリ農畜産業局(SAG)の担当員に提出する必要があります。
アルゼンチン
当クラブの以前の アラートで強調されているように、アルゼンチン健康・農業食品品質管理局 (SENASA) は、 Resolution 764/2020 を発行しました。これは2021年4月12日に発効し、アルゼンチンの港に到着した日から過去24ヶ月間にAGM規制地域を航行または滞在した船舶に対する植物検疫措置が記載されています。
規制対象領域と高リスク期間は以下のように定義されています:
国 | 港または地区 | 高リスク期間 |
ロシア連邦 極東 | ペトロパブロフスク・カムチャツキー、バニノ、ネヴェルスク、ホルムスク、コルサコフ、コズミノ、スラビヤンカ、ポジエット、ザルビノ、ボストーチヌイ、ナホトカ、ウラジオストク | 7月15日から 9月25日 |
中華人民共和国 | すべての港湾 | 6月1日から9月30日 |
大韓 民国 | 釜山、鎮海、馬山、統営、長城浦、玉浦、高遠、仁川、平沢唐津、大山、泰安、東海墨湖、玉渓、宝山、蔚山、浦項、光陽、河東、三川浦、麗水、群山、木浦、保寧。 | 6月1日から9月30日 |
日本-北日本 | 北海道、青森県、岩手県、宮城県および福島県 | 7月1日から 9月30日 |
日本-西日本 | 秋田県、山形県、新潟県、富山県および石川県 | 6月25日から 9月15日 |
日本-東日本 | 福井県、茨城県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県および三重県 | 6月20日 から8月20日 |
日本-南日本 | 愛媛県、福岡県、広島県、兵庫県、香川県、鹿児島県、高知県、熊本県、京都府、宮崎県、長崎県、大分県、岡山県、大阪府、佐賀県、島根県、徳島県、鳥取県、和歌山県、山口県 | 6月1日から 8月10日 |
日本-南西諸島 | 沖縄県 | 5月25日から6月30日 |
アルゼンチンの港に入港するすべての外航船は、AGMの飛翔期間中に寄港したかにかかわらず、入港の72時間前までにSENASAに通知する必要があります。すべての船舶はSENASAによるリスク評価を受けることになります。検査の結果、AGMの存在が検出された場合には、清掃や植物検疫処理が必要となります。
前述の害虫発生が確認された場合、検出されたリスクに応じて植物検疫措置を講じる必要があります:
本規制への違反は、最高でAR$10,000,000(約133,333米ドル)の罰金が科せられる可能性があります。SENASAは、衛生上のリスクを回避するために、さらなる予防措置を課す可能性があります。
定期傭船契約におけるBIMCOのAGM条項
メンバーの皆様方には、 AGMに関する船主と用船者の基本的な義務と責任に関する実践的な解決策を提供することを目的とする、定期傭船契約におけるBIMCOのAGM条項をご覧になることをお勧めします。
カテゴリー: Loss Prevention