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欧州連合(EU)、英国、米国による対ロシア制裁追加
ロシアを標的とした経済制裁は発展と段階的な拡大を続けており、プーチン大統領とロシア中央銀行に対する制裁を含め、EU、英国、米国、同盟国の間で多くの調整が行われています。メンバーの皆様はリアルタイムで状況展開を確認されることをお勧めします。以下は最近の措置の一部要約です。
欧州連合(EU)
EUは2月25日にプーチン大統領とセルゲイ・ラブロフ露外相の資産凍結を決定しました。さらに、EUはロシア連邦安全保障会議の議員および「ドネツク」と「ルガンスク」の2つのウクライナ領土を自称「共和国」としてロシアが承認することを支持したロシア議会の残りの議員に制限的措置を課しました。
EU理事会はロシアのウクライナへの軍事的侵略に対応するための制裁パッケージに合意しています。EU資本市場へのロシア政府のアクセスを制限を目的として既存の金融制裁措置を拡大します。これらの制裁措置はロシア銀行市場の70%と主要な国有企業を対象としています。
この制裁パッケージは2022年2月26日に発動し、ウクライナの状況を不安定にするロシアの行動を考慮した制限措置に関する欧州議会・理事会規則(EU)2022/328改正規則(EU)No.833/2014に定められています。
輸出禁止
規則の主な貿易条項は以下のとおりです。これには、次にある販売、供給、譲渡または輸出の禁止が含まれます。
- ロシア向けまたはロシアでの使用のための二重用途 物品や技術。この新しい制裁措置により、二重用途物品は軍用または軍用エンドユーザー用でなければならないという要件がなくなり、代わりにロシア向けまたはロシアでの使用のための二重用途品目の供給が全面的に禁止されます。 この規則の目的上、「二重用途物品および技術」は欧州議会・理事会規則 2021/821付属書Iに記載されている品目を意味し、 こちらをクリックすることで閲覧可能です。
- 規則に記載されている特定の物品および技術。これはロシア向けまたはロシアで使用するために、ロシア 軍事 および 技術的強化に貢献する可能性があります。
- 規則に記載されているロシア向けまたはロシアでの使用に適した 石油精製に関連する特定の物品および技術。
- 規則に記載されているロシア向けまたはロシアでの使用に適した 航空 または 宇宙産業に関連する特定の物品および技術。
物品および技術の輸出に関する上記禁止事項のそれぞれについて、物品および技術に関連する 技術支援、資金調達や財政的支援または ブローカーサービス の提供の規定に対応する禁止事項があります。 財政援助には保険と再保険の提供を盛り込むように定義されています。
これらの禁止事項は物品または技術がEUを起点にするかどうかに関係なく適用されます。
この規則は2022年2月26日以前に締結された契約に関する禁止事項の部分的または一時的免除について、輸出者がEU加盟国監督官庁に申請できる具体的な根拠を定めています。これらの根拠には、人道および医療目的、海上安全ソフトウェア更新、および個人的利用(一般に、販売を目的としていない身の回り品および取引ツールを対象とする)が含まれます。
金融規制
特定のロシア企業実態による資本市場へのアクセスおよびロシア政府の軍事作戦への資金提供を妨げるために、EUとロシア間の 金融取引に制限が課されています。 これらは2014年以降に実施されている既存制約を踏まえています。
以下に示されるロシアの銀行に関して、2022年4月12日以降に発行された「譲渡可能な有価証券」の取り扱いは禁止されています: Alfa Bank、Bank Otkritie、Bank Rossiya、 Promsvyazbank、およびロシア国有企業8社: Almaz-Antey、Kamaz、Novorossiysk Commercial Sea Port、Rostec、ロシア鉄道(Russian Railways)、JSC PO Sevmash、Sovcomflot、統一造船会社(United Shipbuilding Corporation)
さらに、EU取引所にあるロシア国有企業の株に関連する 上場または提供業務がEU取引所では禁じられます。
また、預金総額が10万ユーロを超える場合、ロシア市民またはロシアに設立された事業体からの預金の受け入れを禁止します(これはEU市民には適用されません)。詳細については、 こちらをご覧ください。
査証(ビザ)発給制限
EUは、ロシアの外交官やその他公務員、ビジネス関係者の実業家の特権的なアクセスセスを認めるビザ発給の円滑化プロセスを一時停止しました( こちらをクリックして閲覧可能な理事会決定(EU)2022/333を参照)。
英国
英国は2022年2月25日、ロシアのプーチン大統領とセルゲイ・ラブロフ外相を制裁リストに指定しました。彼らの英国内の保有資産は直ちに凍結され、英国企業からの物品やサービス、資産の提供が禁じられます。
米国
EUと同様に、米国は米国輸出管理規則(EAR)の対象となる品目のロシアへの輸出や再輸出、(国内での)移動に関する重要な新しい規制を発表しました。米当局によると、改訂規制は主にロシアの防衛や航空宇宙、海事部門を標的にすることを目的としています。規制は2022年2月24日に発動しました。これらの規則は複雑であり、改訂されたEAR規則の対象となる品目を含む取引全てを注意深く見直す必要があります。詳細については、 こちらにある米国商務省のウェブサイトをご参照ください。
また、米国はプーチン大統領とラブロフ外相をSDNリストに指名しました。指定は大統領令14024号に従って行われ、2022年2月25日に発表されました。したがって、彼らの米国内の保有資産は阻止され、米国人はそのような資産を含むいかなる取引にも従事することを禁じられています。また、非米国人は大統領令14024号に規定されているように、SDNリストに掲載された人にまたは彼らの代わりに「重要な支援」を行った場合、制裁対象者リストに掲載されます。
最新の状況展開– 2月28日現在
- EU、英国、米国、カナダは2月26日、ロシアの特定の銀行がSWIFT決済システムから排除することに合意しましたが、銀行はまだ特定されていません。日本は翌日協定に参加しました。
- EUは2月27日、ロシアの航空機へのEUの空域を閉鎖、ロシア国営メディアの禁止を発表しました。英国領空にロシア航空機の乗り入れが禁止されます。ロシアは報復行為として、数か国のEU諸国からのフライトに対して空域を閉鎖しました。米国は(まだ)ロシア航空機の米領空飛行を禁止していません。
- また、EUはベラルーシ経済の主要セクターを対象とした制限措置を導入すると発表しました。(例:ウクライナに対するロシアの敵対行為への支援の結果として鉱物性燃料、タバコ、木材、材木、セメント、鉄鋼などの輸出禁止)
- EUと英国はロシア中央銀行の資産凍結を発表しました。英国は、英国人がロシア国民福祉基金およびロシア財務省を含む金融取引を禁止に向けた制限を実施する即時措置を講じます。
- 米国は2月28日に、大統領令14024号に基づく第4指令の 発出 によりそのような凍結を実施しました。第4指令では、米国人はロシア中央銀行、ロシア国民福祉基金およびロシア財務省が関与する取引に従事することが禁じられています。そのような事業体への資産譲渡、またはそのような事業体に向けたもしくはその代理での外国為替取引が含まれています。これらのロシア事業体はSDNリストに指定されていません。これらは財務省外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control:OFAC)が統括する非SDN・メニューベース制裁(NS-MBS)リストに指定されています。それにもかかわらず、米国銀行およびその海外支店を含む米国人はこれらのロシア事業体が関与する特定された取引に従事することを禁じられています。
- 第4指令の発出と同時に米国はエネルギー関連取引に関するロシア関連の一般ライセンスNo.8を更新しました。改訂された一般ライセンス(GL 8A)では、ロシア中央銀行とのエネルギー関連の取引は認められます。これは一般ライセンスNo.8で特定された5つのロシア銀行に追加されます。一般ライセンスNo.8Aのコピーは こちらから入手できます。
- 英国運輸大臣は2022年2月28日、英国港湾全てに、「ロシア国旗を掲げたり、ロシアに関係する個人が登録したり所有、管理、貸し切り、運航する船舶」に港湾を利用させないよう指示しました。この発表は最新のものです。その影響は当クラブによって検討されています。
当クラブは今後も状況を注意深く監視し今後の展開についてメンバーにお知らせ致します。ご質問などがございましたら、通常のクラブ連絡先までお問い合わせください。
カテゴリ: Sanctions, Ukraine / Russia