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船舶輸送中の脱炭素化:保険補償への影響
利用可能な脱炭素ソリューション、 規制の枠組み、契約および用船契約書問題に焦点を当てた過去の記事に続き、ここでは補償にどのような影響があるかについて説明します。
MARPOLがエネルギー効率関連条約(EEXI)に準拠するために必要な技術的修正の種類と性質を要求していないことを考慮すれば、特定の状況で何が必要とされるか、および/または必然であるかについて論争が生じる可能性があります。さらに、船舶の適合鑑定書(Statement of Compliance)での低い評価を受けての潜在的な行動計画は別として、現在、CII規制への違反に対してMARPOLまたは他のどこかによって定められた正式な制裁措置はありません。IMO(国際海事機関)は、更新されたガイドラインを通じて、今後12か月のある時点でこれに対処する可能性があります。
継続的にCII規制に準拠することは複雑な事態になる可能性が高く、船主にとってはより広い意味合いを持つかもしれません。たとえば、減速運航、最短ルートからの逸脱、および/または貨物積載量の削減などの是正措置が必要になる場合があります。次に、これらは、速度および性能保証、正当な/最大限のコンテナ搬出票義務、雇用命令、指示またはSailing Directions(電子海図)などの用船契約書の義務の違反につながる可能性があり、契約内容の逸脱に等しい状態となりかねません。貨物の遅延または損害賠償は、船荷証券に基づくサードパーティ貨物利害関係者によって船主または船舶に対して請求される場合もあります。
クラブ補償の観点から、当クラブは契約内容の逸脱などの契約上の義務と、MARPOL規則の違反に対して課せられる罰金の両方に係る事項を考慮する必要があります。現在のところ不確実ですが、ほとんどの補償関連問題は罰金に関して発生すると予想されます。
純粋に偶発的な船舶からの流出の場合を除いて、汚染に関する罰金および関連費用のP&I補償は裁量的にのみ利用可能です。 偶発的な流出の場合、そこに流出を引き起こす意図はありません。むしろ、流出自体は偶発的でなければなりません。この状況下での偶発的な汚染の状況は非常にまれである可能性があります。
当クラブは、メンバーが罰金を引き起こす事象を回避するために、取締役会が合理的であると思われる措置全てを講じたと納得した場合、メンバーに有利な裁量権を行使することができます。これは満たすのが厳しい試練であり、情状の詳細な精査、および機能されている環境政策と手順の評価が含まれます。
メンバーは以下に重点的に取り組む必要があります。
- 自らの全体的な燃料管理戦略と方針、
- パートナーとの協力、
- 船内および陸上の両方での人材訓練への投資、
- 遵守手順の定期的な監視と監査を取り入れた行動様式を採用していることの確認、
- 効果的な上級管理職の監督を維持する。
これらの各行動は、コンプライアンス確保における鍵となります。
カテゴリー: Alternative Fuels