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判例法:ロンドンでの仲裁10/22
用船契約-インターンクラブ協約(「ICA」)適用版-船主の損害賠償請求が「カーゴクレーム」であったかどうか-損害賠償請求が「適切に解決された」かどうか-申し立てられた損害がいずれかの当事者の行為または怠慢に起因するという「明確かつ動かぬ証拠」であるかどうか
用船契約-インターンクラブ協約(「ICA」)適用版-船主の損害賠償請求が「カーゴクレーム」であったかどうか-損害賠償請求が「適切に解決された」かどうか-申し立てられた損害がいずれかの当事者の行為または怠慢に起因するという「明確かつ動かぬ証拠」であるかどうか。
この仲裁は、カーゴクレームの枠組みで用船契約に組み込まれた、ICA条項の解釈に関するものです。
大豆の貨物が中国向けにウルグアイとアルゼンチンで積載されました。荷降ろし中、荷受人は貨物が損傷したと主張し、中国の法廷において船主に対するカーゴクレームが請求されました。 船主は第一審で責任を問われ、上訴が提起されたものの控訴院の判決前に彼らは請求を解決しました。その後、船主はICAの下で用船者から損害賠償の回収を求めました。
用船契約第59条は、「カーゴクレームに対する責任はインタークラブ・ニューヨーク・プロデュース・エクスチェンジ・アグリーメント1970年2月および1984年5月再版およびその全ての修正版に従って負担される」と規定しました。」
審判所が対処した問題点は次のようになります。
1.適用されたICAは何版だったか?
船主は、第59条により当事者はICA最新版の摂取に同意したため2011年版が適用されると主張しました。 一方、用船者は、第59条は2011年版などの再版または差し替えとは異なるため、ICA1984年版やそれ以降のみを摂取し、「それに関する修正」であるという要件を満たすと主張しました。
審判所は、船主の主張を支持する判決を下し、使用される言語に関する技術的なアプローチをあえて取らないことを選択しました。審判所は Genius Star 1に言及し、Teare Jは、ICAの各種の版を指す際に「edition」、「versions」、「form」、「predecessor」および「amendment」という言葉を同じ意味で使用していました。したがって、商業的な当事者が商業的な観点においてより厳選された何かを意図していたと仮定するのは現実的ではありません。
2.貨物利害関係者によってもたらされた損害賠償請求は、ICAのの意義の範囲内で「カーゴクレーム」だったか?
用船者は、ウルグアイの貨物が損傷状態で到着せず、長期保管期間中の荷降ろし後に申し立てられる損害が生じたという事実のために、これはICAの範囲内でカーゴクレームではないと主張しました。 彼らは、荷揚げ時の貨物が荷積み時よりも実質的により悪くなっていることを示すのは船主への負担であると主張しました。
船主は、ICAに基づく「カーゴクレーム」の目的で、根底にあるクレームが、運送の過程で引き起こされたと一般的に考えられている貨物への関係する損害(実際の損害あるいは主張される損害に関わらず)をもたらすことを立証するだけでよいと主張しました。
審判所は船主に有利な決定を下し、損害賠償請求はICAの範囲内にあると判断しました。航海中の主張される貨物への損害に関する損害賠償請求は、ICAに基づくカーゴクレームに値するに十分でした。
3.「適切に解決または妥協された」の正確な意味は何か?
用船者は、適切な解決がICA適用の前提条件であり、ウルグアイの貨物が荷揚げ時に損傷したという貨物利害関係者の立場に船主が異議を唱えなかったという理由で、対象の損害賠償請求が適切に解決されなかったと主張しました。 彼らは、そうしなかったということは、船主が主張される損害の責任を受け入れたことを意味すると主張しました。
船主は、ICAには大まかなアプローチが必要であると主張しました。
審判所は、ICAにおける「適切に解決または妥協された」という表現は、賠償責任の目的での合理性の考査に含まれる可能性があるため、詳細な評価を必要としないと判断しました。 また、根本的な損害賠償請求を再訴訟する必要もありませんでした。 当時の請求の翻案の真の認識に基づいた理由により根底となる請求が誠実に解決されたという事実で十分です。
4. ICA条項8(b)はどのように機能し、用船者は100%責任を負ったか?
船主は、貨物損傷は固有の瑕疵に起因すると主張し、貨物は通常の輸送過程で起こるべくして起こったカビの増殖と自己発熱を発生したため、第8条(b)に基づく貨物損傷について用船者が100%責任を負うと主張しました。
審判所は船主の主張を却下し、貨物損傷は単なる貨物の積み込み行為以上のものに起因する必要があると判断しました。不適切に行われた損傷には荷役の側面があったはずです。したがって、この特定の請求は第8条(b)に該当しませんでした。
5. ICA条項8(d)に基づく分担と「明確かつ動かぬ証拠」の必要性。
条項8(d)の「キャッチオール」規定に基づき、「請求が一方または他方の行為または怠慢から生じたという明確かつ動かぬ証拠があり、その場合その当事者は請求の100%を負担するもの」としない場合、責任は船主と用船者の間で50%ずつ分担されます。
船主は、ICAは必要な証拠の性質を条件として求めており、特定の証明度ではないと主張しました。船主は、積荷の損傷はまぬがれないものであり、船主に過失はないにもかかわらず法的責任を負わせることになり、これは第8条(d)に基づく用船者に対する100%分担を正当化する行為であると主張しました。
審判所は、固有の瑕疵以外の原因を指摘する証拠はありませんでしたが、どちらかの当事者による「行為または怠慢」の「明確かつ動かぬ証拠」はなかったため、50%ずつの分担処理を適用する必要があると判断しました。
コメント
これはICAの精神を復活させる有用な判決であり、技術的な点の主張によってさらなる争議の根底をなすというより、カーゴクレームに対する責任を分担しようとする当事者による大まかな商業的アプローチを奨励することになります。
この判決は、ICAのどの版または形式が用船契約に適用されるかという、当クラブが驚くほど日常的に目撃している論争に関する有益なガイダンスを提供します。 また、ICA条項の文脈における「カーゴクレーム」の意味、同様に「適切に解決または妥協された」の定義に関する便利なサポートも提供します。
また、損傷が第8条(b)に適合する必要を忘れないようにする上でも有益で、単なる積み荷行為以上のものに起因する必要があると規定しており、損傷に対する不適切な荷役の側面が必要です。
最後に、いずれかの当事者による「行為または怠慢」の「明確かつ動かぬ証拠」がない場合、ICA第8条(d)は、不履行の責任分担を50%ずつに定めます。
また、この事件はICAの下での責任分担が完全かつ最終的な救済策であることもはっきりとさせています。これがなければ、用船者の指示に従うために船主に有利な黙示の補償など、用船契約により回収への代替ルートに当事者が依存できることは稀でしょう。
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カテゴリー: Caselaw